税・社会保障の一体的な改革に向けて

 わが国では、安倍総理のもとで3本の矢から成るいわゆるアベノミクスが継続されて四年経ちましたが、経済成長はいまだ停滞気味で、総理自身も「道半ば」と言わざるを得ない状況が続いています。そのなかでも、期待された成長と分配の好循環(トリクルダウン)が生じておらず、結果として中間層はやせ細り、高所得層と低所得層への二極化が進んでいます。

 このような状況を放置すると、米国のトランプ現象や英国のBREXITと同様の現象を招きかねません。健全な世論形成が無きままポピュリズム的な政策が打ち出され、経済や社会がより不安定な状況になっていく可能性があります。

 いま必要な政策は、私たち一人ひとりが抱える将来への不安を軽減し、経済や社会全体が活性化する政策です。そのためには、この国の税制と社会保障を根本から見直し、一体的に改革を進めていかなければなりません。アベノミクスに欠けているのは、そのような政策ではないでしょうか。

 このような問題意識から、税と社会保障の一体的な改革について議論する場として「税・社会保障調査会」を立ち上げました。各分野の専門家による議論を通じて、具体的な政策の提言を目指します。同時に、世論喚起に向けて論考やコラムを定期的に発信する予定です。どうぞご支援のほどをお願いします。

2017年1月20日
座長 森信茂樹(東京財団上席研究員)

メンバー一覧

  • 森信茂樹画像

    森信 茂樹[座長]

    研究分野・主な関心領域
    租税政策/財政政策/地方財政/社会保障

    東京財団上席研究員、中央大学法科大学院教授。京都大学法学部卒業後、大蔵省入省。主税局総務課長。大阪大学法学研究科教授、東京税関長等を経て、2005年財務省財務総合政策研究所長。この間、東京大学法学部客員教授、コロンビア・ロースクール客員研究員。2006年に退官し、現職。法学博士。東京財団では税と社会保障の一体改革について幅広く研究をおこなっている。著書に『税で日本はよみがえる』(日本経済新聞出版社、2015)、『消費税、常識のウソ』(朝日新聞出版、2012)等がある。» 詳細はこちら

  • 小塩 隆士

    小塩 隆士

    研究分野・主な関心領域
    社会保障/公的年金/教育経済学/所得分配/社会疫学

    一橋大学経済研究所所長。東京大学教養学部卒業後、経済企画庁(現内閣府)等を経て、2009年より現職。大阪大学博士(国際公共政策)。専門は公共経済学。所得分配や税・社会保障による所得再分配、公的年金と高齢者就業との関係のほか、最近では健康や主観的厚生の社会経済的要因に関する実証研究を進めている。著書に『「幸せ」の決まり方―主観的厚生の経済学』(日本経済新聞出版社、2014)、『再分配の厚生分析』(日本評論社、2012)等がある。» 詳細はこちら

  • 小黒 一正

    小黒 一正

    研究分野・主な関心領域
    人口動態 /財政 /社会保障 /マクロ経済/世代間衡平

    法政大学経済学部教授。京都大学理学部卒業後、大蔵省入省。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。財務省総務総合政策研究所主任研究官、世界平和研究所主任研究員、一橋大学経済研究所准教授、法政大学経済学部准教授を経て2015年より現職。著書に『日本破綻を防ぐ2つのプラン』共著(日本経済新聞出版社、2011)、『2020年、日本が破綻する日』(日本経済新聞出版社、2010)等がある。» 詳細はこちら

  • 佐藤 主光

    佐藤 主光

    研究分野・主な関心領域
    地方財政/税制/社会保障(医療経済)

    一橋大学国際・公共政策研究部教授。一橋大学経済学部卒業、クイーンズ大学(カナダ)経済学部Ph.D取得。一橋大学経済学研究科専任講師、准教授を経て2009年から現職。主著に『地方税改革の経済学』エコノミスト賞(日本経済新聞出版社、2011)、『地方交付税の経済学』共著、日経・経済図書文化賞(有斐閣、2003)など。政府税制調査会委員、財務省財政制度等審議会特別委員、内閣府経済・財政一体改革推進員会(経済財政諮問会議)専門委員、内閣府PFI推進委員会委員、東京都都政改革本部特別顧問などを歴任。» 詳細はこちら

  • 土居 丈朗

    土居 丈朗

    研究分野・主な関心領域
    税制 /地方財政 /財政の持続可能性 /社会保障 /公共選択論

    慶應義塾大学経済学部教授。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学経済学部専任講師、准教授等を経て2009年4月から現職。主著は『地方債改革の経済学』日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞(日本経済新聞出版社、2007)、『日本の税をどう見直すか』(日本経済新聞出版社、2010)など。政府税制調査会委員、財政制度等審議会委員、社会保障審議会臨時委員、産業構造審議会臨時委員、行政改革推進会議議員も兼務。» 詳細はこちら

  • 田近 栄治

    田近 栄治

    研究分野・主な関心領域
    公共経済学/財政学

    成城大学経済学部特任教授。一橋大学経済学部卒業後、アジア経済研究所入所。ミネソタ大学経済学博士号取得。1985年より一橋大学大学院経済学研究科長、国際・公共政策大学院長、理事・副学長を経て、2015年より現職。政府税制調査会、財務省・財政制度等審議会、国税審議会などの委員を務める。共著書に『日本の社会保障政策―課題と改革』(東京大学出版会、2014)、『日本の企業課税―中立性の視点による分析―』(東洋経済新報社、2000)や『昭和財政史』、『平成財政史』等がある。» 詳細はこちら

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